第14章 安楽行品 その1
※この経を読まん者は 常に憂悩(うのう)無く 又病痛(びょうつう)無く 顔色(げんしき)は鮮白(せんびょう)にして
貧窮(ひんぐ) 卑賤(ひせん)醜陋(しゅうる)に生れじ
衆生(しゅじょう)見んと楽(ねが)うこと 賢聖(けんしょう)を慕(した)うが如くならん 天の諸(もろもろ)の童子 以って給使(きゅうじ)を為さん
刀杖(とうじょう)も加えず 毒も害すること能(あた)わじ 若し人、悪(にく)み罵(ののし)らば 口は則(すなわち)ち閉塞(へいそく)せん 遊行するに畏(おそ)れなきこと 師子王(ししおう)の如く 智慧(ちえ)の光明(こうみょう)は 日の照らすが如(ごと)くならん
◎ 安楽行(あんらくぎょう)とは
「法華経」 を弘める者は迫害を受けるが、どんな法難にあっても「法華経」 の教えを」弘める決意を説いたのが前の「勧持品」 であったが、この「安楽行品」 では文師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)が一同を代表して、世尊に 「末法の悪世の中で教えを説き弘めてゆくには、どんな心がけが必要でしょうか」 とたずねた。
その質問に答えて「法華経」の行者の心がけをお説きになったのが、この「安楽行」 である。
「安楽行」 というと、苦労しないで容易に簡単に行える修行のように聞こえるが、決してそうではない。「安楽行」 とは、安らかな気持ちで自ら楽(ねが)って修行し、教えを説いてゆくことである。
また、自分自身から楽(ねが)ったことでないと、どんなことでも行うことはできない。 楽ということは自分の意志の力によることである。 自分の意志でやれば、外からの迫害や嘲笑に対して堪え忍ぶことができるばかりでなく、さらに安らかな心をもつことが可能なにである。
「勧持品」 においては、外部からの迫害に対すrる「法華経」 の行者の覚悟と誓いが説かれたが、この「安楽行品」 では、外からではなく内心の誘惑に負けない心がけを、父が子に諭(さと)すような気持で静かにお説きになったのである。
それでは具体的に安楽行とは、(1)身(しん)安楽行 (2)口(く)安楽行 (3)意(い)安楽行 (4)誓願(せいがん)安楽行 である。
(1)身安楽行とは身のふるまい、(2)口安楽行とは言葉の使い方、(3)意安楽行とは心のもち方。(4)誓願安楽行とは、教えを広めるための努力である。それでは経文によりながら、この四つの安楽行を説明します。
続きは次回…
法華経の入手の仕方や方法は
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