第9章 授学無学人記品 その7



修行層
蜜行とは外に現さないで人を導く行為をいう。(画像参照)



◎蜜行第一

阿難に対する授記を終えた世尊は、続いて羅睺羅(らごら)に授記を与える。そうして蹈七宝華如来(とうしつぽうけにょらい)という名前になると告げられた。

たくさんの仏にお仕えして常にその仏の子となって仏の教えを受けるということは今のお前が私の子となったと同じであるとお説きになった。

そして、その蹈七宝華如来(とうしつぽうけにょらい)の国土の美しさや寿命の長さなどは阿難が仏になった山海慧自在通王如来(せんかいえじざいつうおうにょらい)のときと少しも異なることがないと言われた。

「私が太子であったとき、羅睺羅は私の子であった。今、私が悟りを開いたとき、羅睺羅は私の弟子となり法子(ほおす=教えの子・弟子)となった。未来の世の中において数限りない多くの仏の御子となって、一心に仏道を求めるであろう。羅睺羅の蜜行は私だけが知っている。」

蜜行とは外に現さないで人を導く行為のことである
内は智慧すぐれた人であるにかかわらず、外には愚かな人のように振舞うことである

あまりに優れた能力を持った人は敬して遠ざけられ親しみがわかないものである。
そうなると、人を教化することもできない。そこで自分の能力をできるだけ包み隠して
「自分は愚かなものであるが、なんとか仏の教えを実行しようとしている。もし、やる気があれば一緒に修行しようではありませんか。」
というような態度のことを「蜜行」というのである。

遇者のように行動し、世間からは何も認められなくても、ひたすら道を求めた羅睺羅こそ「蜜行第一」とよばれるにふさわしい。

父は自分の子の姿を冷静に見つめ、そして父親に純粋に師事することが普通はとても大変である。見る目に狂いが生じるからである。しかし、羅睺羅にはそのようなことは毛ほどもなかった。ただひたすらに父を教えの師として仕えたのであった。

続きは次回…


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